オリジナルについて

 9月14日 晴れ 24℃


以前、とあるインフルエンサーのお陰で店の名前(旧屋号アントニオロッドシアターの時)が道外でも知られるようになった時は集客も一気に増えて通販のご依頼も異常に増えた時期がありました。

要望があるブランドはほぼ固定されているので品揃えが認められてと言うよりはそのブランドの“買い場”のような扱いだった様に思います。

ですから別にアントニオロッドシアターを求めているというよりは売ってるところであればどこでも良かったのだと思いますが、あの時は事前の入荷告知だけでほぼ完売。

到着する前の商品が飛行機に積まれ空を飛んでいる最中に追加注文して店頭に出す、まさに秒速な売れ行き。

その時はその時で「これまでの10年間が認められた」そんな気分にはなり、矢沢永吉の言葉を文字るなら“これまでの10年、今は2秒”

青天の霹靂とはまさしくあの事でその影響力の凄まじさには今の時代を感じましたし最前線はこれなのだなと、しかし後にも先にもあんな事は僕自身の身にはもうないと思ってます。


しかし悲しいかなそれも2年ほどで終わり長くは続かずコ〇ナがすべてをリセットしてくれたのですが、リセットのお陰でセールスは落ちるも今にして思えば次のステップに行けたのは間違いありませんでした。

例の騒動の渦中、集客が落ち何を仕入れても売れないと言った状況に品揃えに迷いが出ました。

いったい何を仕入れて良いのか分からないと言った状況の中でインスタでアンケートを行い募ってみたお題は「今後、洋服に求めるもの」の2択形式で“ファッション性”と“機能性”。


世は自粛。

今後外出しない世界がふつうとなると様々なところで様々な人が言い、それは説得力には十分過ぎるほどに街から人が消えゴーストタウンのような風景を前して非常に真実味がありました。

引きこもり需要というワードはあの時の自分にとっては強烈に鮮烈で店の状況から益々分からなくなり果たして先のアンケートの結果はファッション性3割に対して機能性が7割。


圧倒的な結果に愕然としながらも腹をくくるしかないかと思い機能性ブランドの探索に日々を費やしましたが、調べても調べても出てくる商品のいったい何がどう良いのかさっぱり分からん・・・と言った感想。

まずどのような人が着るのは分からない。

しかし想像するにたぶん売れてそう。

結果の真意はどうであれなんか売れてそうな気がする。

だけど誰着るのだろう?

少なくとも自分は着ないし売っているところも見た事がない、と言うよりも興味がないので近づいていないだけかも知れませんが、いずれにしても自分にはこれを販売する以前に仕入れる才能がない事だけは分かりました。

間違ってもその様な商品がダメという事ではなくその様なカテゴリーでも良い商品もあれば当然その逆もあるという事。

その良し悪しの違いの選球眼がなくその為もしも本当に興味がある人にお越し頂いても心を動かす事(仕入れ、品ぞろえ)が出来ないという事。


なかなかすっきりとしない悶々とした日々を過ごしながら、正直に白状すると毎月垂れ流される赤字の結果を前にして一年間なにも仕入れせずに店を停止したかった、のが本音。

それでも様々理由と事情と立場からそんな事など出来るはずもなく、ただ考えようによっては働き盛りの年齢にこんなワケの分からない事態を経験をする事などそれはそれで大変貴重でのちにこの経験はきっと何かの役には立つはずだと思い、唯一の才能である続ける事だけは止めないという事を選びました。


それから改めてアンケート結果の事を考えてはたと7:3の結果に気が付いたのは「まだ3割いるぞ」という事。

そしてコ〇ナ渦中でお客様は減ったけどそれでも0人ではない。

マスク越しでもコミュニケーションは取れる。

加えて政府からは夜の外出は控える様に言われてもおそらく日中はウイルスも寝ているのかあくまで自粛であって禁止ではない。

冗談はさておき、今来て下さっている方達の事を考えた。

もともと取り扱っているブランドの事は一切知らなかったけれどお店に興味を持って貰い品揃えを気に入ってくれて今なおお店に来てくれている。あるいは注文を貰えている。

引きこもり需要など新しく出来た需要と価値観に意識を向けるのではなく、今まさに来て下さっている方と3割の方だけに向けてこれまで以上に熱狂する事をしてみようと。

本来の実店舗の存在意義とこれまでの自分の根幹にある基本に意識を向け徹する事にしました。

それでもし駄目ならその時は都合よくコ〇ナのせいにしちゃえば良いやと開き直り、そしてずっと迷っていたブルーナボインとノービットに繋がっていき、その後タンジェネットに着きました。


特にブルーナボイン。

デザインと生地の質が良いのは知っておりましたし実際に一度お伺いした事もありデニムパンツを扱ったことがありました。

しかし当時のコンセプトが専門に特化したモノツクリをしているブランド、だった為でそこに固執するあまりファッション的な要素のブランドはどんなに質が良くても避けておりました。

その理由はまた別な機会にするとして、今のお客様をこれまでよりももっと熱狂させるというただ一つの目標の為だけ動く事にしたのですぐに連絡をし、ただなんとなくフェードアウトした経緯もあったために恐る恐ると電話をしたところ快諾の返答。


そして現在に至り、ブルーナボインへの反応は、

相変わらず「どこのブランドすか?!イカしてますね」とデザインと質が良ければOKのスタンスにこれが店の醍醐味だと再確認し、同時にさすがお客さんセンスある!と。


インフルエンサーの恩恵を受けしかしその恩恵がもたらした事は必ずしも僕にとってはポジティブな事ばかりではなく、しかし誤解があるといけないのでこれだけは念を押すようにお伝えするとインフルエンサーには決して非があるはずもなく、感謝の気持ちこそあれど真逆の気持ちなど決してあるはずもなく。
あのあまりにも強烈な反応と凄まじい日々を過ごし盛り上がれば盛り上がる程にそれまで培ってきた自分の経験と判断を疑うようになり、そのうち自信までも無くしてしまった他なりません。

そして皮肉にも世界中を巻き込んだ先の混乱と静寂の相反する二つが入り混じった騒動のお陰で僕を原点回帰へと導く結果となりました。

それにしてもあの期間はいったいあれは何だったのかと、まるで盆と正月が一辺にやって来た後に旅先でバッテリーが切れたスマホの様な出来事でした。



そして今。

昨年から某お方に言われ、そして今なお続けて言われているオリジナル商品をどうしようかと思案中。

ブランドでは無いです、あくまでオリジナル商品。


僕の勝手な考えですがブランドはもっと崇高なものでゼロ、もしくはイチから作り出すもの。あるいはオマージュか精巧なレプリカ。

その為には造詣に深く精通している事。

モノツクリの現場を知り、もしも僕がデザイナーであればパタンナーがいる事。

しかしデザイナーとしての学び経験値があること。


以上から僕が行うとしたらブランドでは無くてやはりオリジナル商品と言った解釈となり、その場合スウェットならライディングハイ、シャツならどこかしら、ジーンズならば。

というようにその道のスペシャリストに依頼する事がもっとも適した事になるだのと思いますし、決して恥ずかしくないむしろ自信をもって勧められるものになるのではと。

現在取り扱っているブランドに匹敵するデザインは出来ないけれど、アイディアならば出せるかも知れない。

「オリジナルをやった方が絶対に良い!」

そんな風に場末の居酒屋で熱弁されて一年。

その間なんども言われ理由も理解しその適正が自分にはあるとも言っても貰え(自覚はない)時間を経ってようやく府に落とせるところまでになりました。

腑に落ちただけなので実現するまでもう少しかかりそうです。



しないかもしれません。








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